あざみ野リーガルオフィス(旧 佐藤司法書士事務所)

相続手続

相続手続きの流れ

相続の手続きご家族がお亡くなりなると、「初めてのことで、何から手をつけていいかわからない」とおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。保険や年金などの手続きも必要になりますが、遺産(亡くなった方の財産)の相続手続についての流れは、概ね下記のようになります。
 なお、遺言書がある場合はこれと異なります。、遺言書が出てきたら(遺留分との関係と検認手続き)の項目をご覧下さい。


法定相続人・法定相続分の確認
遺産の把握
遺産分割協議

相続登記の手続きと登記費用

相続登記以外の手続きについて〜預貯金の払い戻し手続等
相続税について
遺言書が出てきたら
未成年者の特別代理人の選任手続き
不在者の財産管理人の選任手続き
相続の放棄手続きについて


1.法定相続人・法定相続分の確認

まず、亡くなった人にに対して誰が相続権を有し、その法定相続分を確認しましょう。

★死亡した人の配偶者(妻・夫)は常に相続人になります。

そして配偶者に加えて、親族は下記の順番で相続人となります。

第1順位 死亡した人の子
子が先に亡くなっていた場合は、その人の子が相続人(代襲相続人)となります。
子が複数人いる場合の法定相続分は均等です。
(例 子が3人の場合は各1/3となります)
配偶者と子が相続人となる場合は、配偶者1/2 子1/2となり、子が複数いる場合は子同士の相続分は均等になります。
(例 配偶者と子が3人の場合 配偶者3/6 子各1/6)

第2順位 死亡した人の直系尊属(父母、父母が亡くなっている場合は祖父母=親等の近い尊属が相続人となります)
子がいない場合や子が相続放棄をした場合には相続人となります。
同一親等の直系尊属いる場合の法定相続分は均等です。
配偶者と直系尊属が相続人となる場合は、配偶者2/3 直系尊属1/3となり、同一親等直系尊属が複数いる場合は直系尊属同士の相続分は均等になります。

第3順位 死亡した人の兄弟姉妹
被相続人の兄弟姉妹は第1順位と第2順位の相続人がない場合に相続人となります。
配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合は、配偶者3/4 兄弟姉妹1/4となります。
兄弟姉妹が複数いる場合の兄弟姉妹間の相続分は均等ですが、被相続人の異父(異母)兄弟姉妹は、両親を同じくする兄弟姉妹の半分となります。

【戸籍の収集】
 相続人となる方は上記のとおりとなりますが、誰が相続人となるかは戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)で証明する必要ことになります。
戸籍謄本等を取り寄せる範囲は、相続人が誰になるかによって異なります。

相続人が子の場合又は相続人が親が相続人となる場合
 ・被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)
 ・相続人全員の戸籍謄本
相続人が兄弟姉妹の場合 
 ・被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)
      プラス
・被相続人の両親の出生から亡くなるまでの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)
 ・相続人全員の戸籍謄本

※子や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合(代襲相続の場合)は、その子や兄弟姉妹についても出生から亡くなるまでの戸籍謄本等が必要となります。

 上記のとおり戸籍謄本等を集めることで、被相続人の親族関係が判り、各人が法定相続人であることの証明になります。

尚、戸籍謄本等を集める過程で、ごく稀に自分たちの知らない被相続人の子供や兄弟がいることが判明することがあります(たとえば父親の先妻との間の子や、祖父の先妻との間の子がこれにあたります)。
遺産分割協議は、法定相続人全員で行わなければならないので、この人たちを加えずに行った遺産分割協議は無効となってしまいます。

2.相続財産の把握

 遺産を相続するにしても、遺産の内容が解らなければ分割協議のしようもありませんし、よく調べずに相続したら、多額の借金を相続してしまったなんてことにもなりかねません。遺産を特定するのはとても重要です。
 ご家族が被相続人と同居するなどしていて遺産について生前から把握している場合は、簡単に特定できると思いますので、それをリスト化して財産目録を作成すると良いでしょう。誰から見ても分かりやすく、相続手続の漏れも防げると思います。

 しかし被相続人と同居していなかった場合などで財産についてよく分からない場合は、通帳や郵便物を頼りに銀行や証券会社に照会するなどして特定する必要があります。

遺産を特定するのに手がかりになる物の例
  
 預貯金※ ⇒ 預金通帳、銀行のカレンダーやメモ帳など
 株、投信等⇒ 証券会社からの運用報告書
 不動産  ⇒ 権利証、固定資産税納税通知書

※特に預金通帳は、入出金の記録から株式や投資の配当の有無、返済の引き落としなど色々な事が判るので良く確認する事をおすすめします。 



 遺産を相続するということは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金などの債務)も相続することになりますので、遺産をよく調べた結果、プラスの財産よりマイナスの財産(借金などの債務)の方が多い場合は相続放棄を考える必要があります。相続放棄の手続きの項目もご覧下さい。

借金については、信用情報機関に照会することにより金融業者からの借入は把握できますが、保証債務、金融業者以外からの借金や個人事業主の事業上の債務など把握することが困難な債務もあるので注意が必要です。
 プラスの財産が結構あるけど、マイナスの財産も沢山ありそうという場合に相続した方がいいのか相続放棄をした方がいいのかわからない場合は、限定承認という方法で相続をすることにより、プラスの財産を相続した範囲内で債務を負うという事ができます。


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