遺言書の作成
遺言書の作成と当事務所のサポート
遺言書を書いておく事は、資産家だけの特別な事ではありません。
あなたにもしもの事があったときに、残された大切な家族が相続の手続で困らないように、また、仲良く暮らしていけるように残す強力なメッセージでもあります。
尚、遺言書を書かれた方が亡くなった後の手続きや、遺留分との関係は、遺言書が出てきたら(遺留分との関係と検認手続き)の項目をご覧下さい。
また、コラム「遺言書のすすめ」も是非ご覧下さい。
残された家族が相続の手続で困らないために
1.お子さんがいらっしゃらないご夫婦
法律の規定では、亡くなった方の親が健在であれば1/3は親へ、親が亡くなっていれば1/4が亡くなった方のご兄弟に相続上の権利が発生します。
残された奥様(又は夫)は、この方達と遺産分割の協議をしなければ預金の解約手続も土地建物の名義書換もできないことになります。
2.お子さんが未成年の場合
お子様が成人していれば、残された奥様(又は夫)は子供達と遺産分割の協議をすればよろしいのですが、未成年のお子さんがある場合には、裁判所に申し立てて特別代理人を選任してもらう必要があります。この手続には1月〜2月の期間を要しますので、その期間は預金も凍結されたままの状態になってしまいます。また、誰に特別代理人なってもらうかでも悩まなければなりません。
3.相続人の中に行方不明者や判断能力を欠く方がある場合
たとえば所在不明となったままのお子様がある場合、裁判所に申し立てて不在者の財産管理人を選任してもらった上で、遺産分割の協議をすることになります。この手続には、当事務所の事例では3月以上の期間がかかりました。
また、奥様(又は夫や子供)が認知症等で判断能力を欠く場合には裁判所に成年後見人の選任してもらって遺産分割の協議をしなければならない事になります。この手続は通常3月〜6月を要します。
4.先妻(又は元ご主人)との間にお子様がいらっしゃる場合
離婚すれば、当事者間ではもちろん相続関係は発生しませんが、仮に離婚した相手が再婚してお子さんが相手の方と養子なったとしても、親子の関係はなくなりません。
残された家族が遺産分割で困らないようにしておく事が必要かと思います。
5.事業の円満な承継や、同居の家族などのために分割の指定をしておきたい場合など
一緒に事業を築いてきたお子様に円満に事業を承継させたい。あるいは同居してきたお子様のためにご自宅を相続させたい、あるいは特定のご家族に法律上の相続分とは異なる分を相続させたい。このような場合も遺言書は有益です。
遺言書の種類
遺言書を書こうとするときに注意しなければならないのは、法律で要式が定められていてその方式に沿っていないと無効になってしまう事です。
遺言書の方式にはいくつかの種類がありますが、ここでは一般的な自筆遺言書と公正証書遺言のみを取り上げます。
自筆遺言書 | 公正証書遺言書 | |
作成方法 | 本人が自筆で書きます | 証人2人に立会のもとに本人が口述して、公証人が作成します |
作成場所 | 制約はありません | 公証人役場で、又は公証人に出張してもらう |
保管場所と紛失・変造の危険 | 本人の責任で保管することになりますので紛失・変造の危険は有ります | 本人・遺言執行者が正本を保管するのと別に公証人役場が原本を保管します |
無効になる可能性や争いの可能性など | 方式を誤ると無効に。また、真否の争いが生じることも | まず無いと考えてよいでしょう |
検認手続の要否 | 必要です | 不要です |
費用と検認手続 | すべて自分でやれば費用はかからないが、亡くなった時に裁判所の検認手続が必要 | 公証人費用が発生しますが、亡くなった時に検認手続は不要 |
※自筆遺言書で必要になる裁判所の検認手続とは
自筆遺言書を預かっていた人や発見した人は、法律上この申立をする義務があります。
また、この手続を経ないと預金の解約手続や土地建物の名義書換の手続も進められません。
遺言書が出てきたら(遺留分との関係と検認手続き)の項目をご覧下さい。
公正証書遺言の作成のサポート
当事務所では、後日、真否についての争いを極力避けるためにも公正証書による遺言書作成をお勧めしてしております。
しかし、公証人役場という普段聞き慣れない場所へ何回か足を運び、また、証人になってくれる2人を手配し、すべてを一人で手続することは心細いと思われる方もおられると思います。
当事務所では公正証書遺言作成のサポートを致しております。
【手続の流れ】
ご本人から、お気持ちを充分に伺い、合わせてお手伝いする内容に応じて当事務所の手続費用の説明をさせていただきます。
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公証人に提出する書類の説明を差し上げ、必要であればその収集をお手伝いいたします。
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ご本人の意向に沿い、かつ法律的に整った遺言書の原案の作成を致して内容をご確認いただきます。修正のご希望があれば何度でも対応させていただきます。
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公証人との事前打ち合わせを致し、ご希望に合う日時の予約を取らせていただきます。
公証人の費用につきましては事前に連絡いたします。
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公証人役場へ同行いたします。
公証人との事前の打ち合わせが済んでいるため、当日の公証人役場での作業は20分程度となります。
その際、遺言時に必要な二人の証人として立ち会うことが出来ます。
【当事務所の報酬基準(公証人費用は別途ご負担願います)】
公正証書遺言作成のサポート(下記内容の場合 110,000円〜:資料の収集手続は別途)
・打ち合わせ及び遺言書原案の起案及び修正
・公証役場との事前打合せ
・公証役場への同行(証人2人のご用意)
自筆遺言書を作成される方へ
公正証書のほうが確かなのは解るが、費用をかけずに遺言書を作成したい方のための注意点です。
自筆遺言書は方式を誤ると遺言書全体が無効になりますので、基本的なこととして、
1.本人が、全文、日付及び氏名を自署し、捺印する必要があります。
平成31年1月13日より、財産目録は、パソコン、ワープロで作成することがでるようになりましたが、目録の毎葉に署名捺印が必要です。また、紙の両面を使用した場合は、両面に署名捺印が必要です。
2.内容の訂正にも方式が定められており、訂正部分に捺印し、欄外に訂正部分を明示して訂正した旨を記載して署名する必要があります。(これがないと訂正が無いものとなってしまいます)
【自筆遺言書の例】
自筆遺言書作成のサポート
自筆遺言書(直筆証書遺言)は、自筆でお書きいただく遺言書ですから、当事務所がお客様の代わりに遺言書自体を作成することはできません。しかし、一般の方が自分自身で不備のない自筆遺言書を作成するのは以外と難しいもので、実際に自筆遺言書を見ると、形式的な不備があることがしばしばあります。また、形式的要件は完璧でも、内容の記述が曖昧だったために、遺言の内容が実現できなくなってしまうこともあり得ます。
ご自身の最後の意志である遺言を間違いなく実現するため、そして、遺される方々のためにも、不備のない遺言書を作成する必要があります。
当事務所では、不備のない直筆遺言書(直筆証書遺言)を作成するための、サポートも行います。形式的な不備のチェックだけでなく、遺言者の最後の意志を間違いなく実現できるよう、遺言書の内容についてもアドバイスいたします。
・打ち合わせ及び文書作成アドバイス 33,000円〜(資料の収集は別途)